処方箋医薬品とCBD,THCを含有する大麻由来製品の薬物相互作用について

2025/04/26

お問い合わせのあった大麻由来製品と薬物相互作用についての25年4月時点での最新のレポートを紹介します。

論文名：ヒトにおける薬物と大麻製品間の薬物動態学的相互作用の可能性の概要

概要
大麻は世界中で最も一般的に使用されている違法薬物である。近年、大麻の消費量が増加しており、新たな承認や治療適応に伴い、大麻由来の製品、大麻処方薬、他の承認された処方薬、および他の乱用物質間のリスクや相互作用を最小限に抑えることが課題となっている。したがって、カンナビノイド系薬物を代謝する酵素と他の処方薬との関係を明らかにすることは、それらの同時使用の潜在的な相互作用と影響を理解する上で極めて重要である。

この論文は、大麻と、大麻由来製品、大麻処方薬、他の承認された処方薬、および他の乱用物質との間の薬物動態学的相互作用について包括的なレビューを提供する。また、これらの相互作用に関する既存のエビデンスをまとめ、様々な酵素の阻害または誘導に関連する臨床アウトカムについて述べる。

本論文で評価された薬剤一覧

分類：薬剤名（日本での名称）

抗凝固薬：ワルファリン（ワーファリン）

抗てんかん薬：エスリカルバゼピン（アプティオム）、スティリペントール（ディアコミット）、バルプロ酸（デパケン）

鎮痛剤 - オピオイド：ブプレノルフィン（ノルスパン、レペタン）、メサドン（メサドン）、フェンタニル（デュロテップ、フェンタステック）、ベンゾジアゼピン、クロバザム（オナフィス）、ブリバラセタム（ブリビア）

免疫抑制剤および増殖阻害剤：タクロリムス（プログラフ）、エベロリムス（アフィニトール）、シロリムス（ラパミューン）、シクロスポリン（ネオーラル、サンディミュン）

選択的セロトニン再取り込み阻害薬（SSRI）：シタロプラム（セレクサ）

三環系抗うつ薬：イミプラミン（トフラニール）

抗精神病薬：クロザピン（クロザリル）、クロルプロマジン（コントミン）、ピモジド（オーラップ）、ブロムペリドール（ブロムペリドール）、メトトリメプラジン（レボトミン）

抗感染薬：ケトコナゾール（ニゾラール）、リファンピシン（リファジン）、フシジン酸（フシジンレオ）、フルコナゾール（ジフルカン）、メトロニダゾール（フラジール）、イトラコナゾール（イトリゾール）、フェキシニダゾール（フェキシニダゾール）、オルニダゾール（オルニダゾール）、セクニダゾール（セクニダゾール）
抗レトロウイルス薬：インジナビル（クリキシバン）、ネルフィナビル（ビラセプト）
メチルキサンチン誘導体：カフェイン（カフェイン）
プロトンポンプ阻害剤（PPI）：オメプラゾール（オメプラール、オメプラゾン）

精神刺激薬：メチルフェニデート（コンサータ、リタリン）

その他の中枢神経抑制剤：ヘキソバルビタール（ヘキソバルビタール）、フェノバルビタール（フェノバール）、プロポフォール（ディプリバン）

その他の分類されていない薬物：ジスルフィラム（ノックビン）、コルヒチン（コルヒチン）、プラルセチニブ（ガベレトレク）、レルゴリクス（オリゴビス）、エストラジオール（エストラーナ、ジュリナ）、ノルエチンドロン（オーソノボ）、リメゲパント（Nurtec ODT、日本未承認）、チザニジン（テルネリン）、ウブロゲパント（Ubrelvy、日本未承認）、ベネトクラックス（ベネクレクスタ）、ジゴキシン（ジゴシン）、レファムリン（Xenleta、日本未承認）、レンボレキサント（デエビゴ）、アファチニブ（ジオトリフ）、ベロトラルスタット（Orladeyo、日本未承認）、ビラスチン（ビラノア）、ドキソルビシン（アドリアシン、ドキソルビシン）、パゾパニブ（ヴォトリエント）、レポトレクチニブ（レポトレクチニブ、日本未承認）、トポテカン（ハイカムチン）、ビンクリスチン（リポソーム型：Marqibo、日本未承認）、アミフォスチン（エチオール）、オビヌツズマブ（ガザイバ）、ロミタピド（Juxtapid、日本未承認）、シロスタゾール（プレタール）、マヴァカムテン（Camzyos、日本未承認）、フェゾリネタント（Veozah、日本未承認）

※一部薬剤について、日本国内の流通名や承認名が異なる場合があります。

乱用薬物：アルコール、コカイン、デキストロアンフェタミン、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミナ (MDMA)、メチルフェニデート（MPH）、ニコチン

原文
Caicedo, D.A.; Pérez-Mañá, C.; Farré, M.; Papaseit, E. An Overview of the Potential for Pharmacokinetic Interactions Between Drugs and Cannabis Products in Humans. Pharmaceutics 2025, 17, 319.
https://doi.org/10.3390/pharmaceutics17030319

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