歴史的過ちを正す:国連によるコカの葉の国際的地位の見直し
2025/05/15
はじめに
2023年7月、世界保健機関(WHO)は、薬物依存専門家委員会(ECDD)に対し、コカの葉の批判的審査(レビュー)を実施し、1961年の麻薬に関する単一条約におけるコカの地位に関する勧告を行うよう要請する正式な通知をボリビア多民族国から受け取った。
国連が伝統的利用の廃止を呼びかけてから75年近くが経過した。コカがアンデス・アマゾンの先住民族によって数千年もの間、伝統的、宗教的、先祖伝来的、精神的な使用されてきたにもかかわらずである。
国連麻薬委員会(CND)第67回会合の機会に開催されたイベントで、ボリビアのダビド・チョケワンカ副大統領は、この批判的レビューを「コカの葉を絶滅させることを運命づけた1961年条約の歴史的誤りを正す重要な一歩であり、薬物規制条約制度を先住民の権利と調和させる動きである」と評した。
このアドボカシー・ノートでは、国際薬物規制のコカの葉のスケジューリングに関する背景を説明し、その概要を述べる。
背景:コカの葉の国際的地位の理解
ボックス1 コカの葉からコカインへの「変換のしやすさ」に対する懸念への対応ECDD批判的審査手順の理解
国連薬物規制体制と人権義務との整合性
拡大するコカイン市場と使用に対する懸念への対応
先住民族の資源としてのコカの葉の保護
結論と提言
原文:Righting a historical wrong: The UN review of the international status of the coca leaf - Version 2 https://idpc.net/publications/2025/02/righting-a-historical-wrong-the-un-review-of-the-international-status-of-the-coca-leaf
本学会は、大麻草およびカンナビノイドに関する専門学会ですが、国際的な薬物政策の影響が大きいテーマであるため、今後もこのような世界情勢についての有益な資料の和訳および紹介に努めていきます。
なお、本学会が提供するすべての翻訳情報の内容は、学会としての意見表明ではありません。
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ダウンロード:歴史的過ちを正す国連によるコカの葉の国際的地位の見直し(2025)
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